乳がんの初期症状を見逃さない!セルフチェックで早期発見を目指そう

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乳がんは、早期発見が極めて大事な疾患の一つです。国立がん研究センターの集計によると、早期発見し治療を開始すれば、90%以上の患者さんが回復することがわかっています。

乳がんステージ

院内がん登録2010年10年生存率集計「女性乳がん10年生存率」|国立がん研究センター

偶然に気づく乳がんのしこりの大きさは、2cm以上の場合が多く、その場合は上記のステージⅡ期に相当します。しかし、セルフチェックを習慣化することで、1cmのしこりでも気づける可能性が高くなり、Ⅰ期の状態で乳がんを見つけることが可能になります。

この記事では、乳がんの初期症状の理解と、セルフチェックを通じて乳がんを早期に発見する方法について解説します。さらに、クリニックでの乳がん検診や治療方針についても触れていますので、乳がんについて総合的に学ぶために、この記事を参考にしてください。

1.乳がんの初期症状

乳がんは、早期に発見することで治療の成功率が大幅に向上します。しかし、早期の段階では自覚症状がほとんど現れないため、発見は困難です。小さな変化を見落とさないように、初期症状の理解は乳がんの早期発見に向けた鍵となります。

乳がんの典型的な初期症状

乳がんの初期症状は多様ですが、典型的な初期症状は以下の5つです。

乳房のしこり 乳房や乳頭の形状や大きさの変化 乳房の皮膚にできる小さなくぼみや引きつれ 乳頭や乳輪のびらん 乳頭からの異常な分泌物(血液が混じった分泌液など)

これらの症状の一つでも見つけた場合は、専門医に速やかに相談することが重要です。乳腺症や乳腺炎など、乳がんと似た症状を示す病気もあるため、自分自身で判断しないようにしましょう。

参照元:健康の森「乳がん」|日本医師会

症状の変化と乳がんの進行

乳がんは、進行状況により「非浸潤がん」と「浸潤がん」の2つの段階に分かれます。 非浸潤がんは、がん細胞が乳管や小葉内にとどまっている初期段階を指し、自覚症状はほとんどありません。この段階では早期がんとして分類され、多くの場合で治療が可能です。しかし、時間の経過とともに、がん細胞が乳管や小葉の外へと拡がり、浸潤がんの段階へと進行する可能性が高まります。さらに進行すると、血管やリンパ管への広がりが見られ、乳がんの診断時にはリンパ節や脳、骨、肺、肝臓などへの遠隔転移が確認されることもあります。 乳がんの疑いがある症状を発見した場合には、速やかに専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

参照元:乳がんについて|国立がん研究センター東病院

2.乳がんセルフチェックのやり方

乳がんの早期発見には、定期的なセルフチェックが欠かせません。自身の身体を観察することで、異常や変化を早期にキャッチし、対応することができます。 ここでは、乳がんのセルフチェックの手順とポイントを紹介します。

乳房の全体の観察方法

基本の観察姿勢 両腕を下げた自然な姿勢で、乳房や乳頭の様子を鏡を使って観察します。 次に、両腕を頭上に高く上げ、正面・側面・斜めの各角度から乳房の様子をチェックします。

上半身のひねりを活用した観察 両手を組み、頭上に持ち上げます。この状態で上半身を左右にひねりながら鏡で観察します。乳房や乳頭の左右の違い、凹み、出っ張り、皮ふの引きつれなどの変化がないかを確認します。

乳房の周辺部の確認 両手を腰に当て、強く抱え込むような動作を行いながら、鎖骨の下や脇の部分から乳房の横までの部分を観察します。凹みや出っ張り、皮膚の引きつれなどの変化がないかを確認します。

定期的なセルフチェックを行うことで、身体の変化に気づきやすくなり、必要な場合には早期に専門医の診断を受けることができます。

乳腺の観察方法|注意が必要なしこりや感触

乳房内の乳腺の観察は重要ですが、身体を起こした状態だけでのチェックでは、しこりを確認しにくいことがあります。とくに、乳房が大きい人は、仰向けの姿勢でのチェックをお勧めします。仰向けで行うセルフチェックの手順を紹介します。

準備 床やベッドに仰向けに横たわります。背中の下に四つ折りにしたバスタオルや薄いクッションを敷いて胸部を少し持ち上げます。

乳房の内側半分のチェック 右の乳房をチェックする際は、右腕を頭上に伸ばします。 反対側の手の指の腹を使って、乳房の内側半分を軽く圧迫しながらゆっくりと触り、しこりや変化がないか確認します。

乳房の外側半分のチェック チェックする側の腕を下げます。 反対側の手で乳房を触る際に、人差し指から小指まで指をそろえ、指の腹で乳房を触り、次の手順で確認していきます。

乳房の上部分を触る 乳房の中央部分を外側から内側に向かって触る。強さは肋骨を感じるくらいで触り、ひっかかる部分があればぐりぐり回すように再チェック。 乳房の下部分は、乳頭に向かって持ち上げ、たぐり寄せる。この部分はしこりが見つけにくいので、とくに念入りに調べます。

反対側も同じように確認していきます。

鎖骨~乳房上部のチェック 右手を腰にあて、鎖骨の高さから順次下に、肋骨に沿うように外側から内側に引き寄せるように触ります。しこりができることは少ない場所ですが、確実にチェックしましょう。

わき~乳房横のチェック 乳がんのしこりはわきの下で見つかることもあるため、わきは必ずチェックしてください。右手を腰にあて、わきの下にそろえた人差し指から小指をしっかりと入れ込みます。 わきの下から乳房の横、乳頭に向かってなでおろすように触ります。

これらのセルフチェックを一通り行うことで、しこりや乳房の変化を確認しやすくなります。何か異常や変化を感じた場合は、専門医の診断を速やかに受けましょう。

参照元:早期発見のために|日本対がん協会

乳頭の変化や異常な分泌物の有無を確認

乳房を親指と人差し指で優しく挟み、乳頭に向かってゆっくりと圧をかけます。この動作は、乳房のなかのものをしぼり出すような感覚で行います。最後に、乳頭をきゅっとしぼります。

この際、乳頭からの分泌物に血液が混ざっている場合や、普段と違う色・質感の分泌物が確認された場合は注意が必要です。分泌物の変化や乳頭の変形・色の変化などは、乳がんの初期症状である可能性がありますので、専門医の診断を速やかに受けましょう。

3.乳がんの早期発見に効果的なセルフチェックの習慣化

セルフチェックをより効果的に行うには、習慣にすることが非常に大切です。日常的に取り入れるためのコツを紹介します。

セルフチェックを日常的に実施するコツ

セルフチェックを日常的に行うために推奨される方法は、月経が終わったあとに実施することです。おもな理由は以下のとおりです。

乳腺の張りが和らぎ、チェックしやすくなる 毎月の決まった周期で実施しやすく習慣化に役立つ

セルフチェックは月1回の実施が推奨されています。そのため、月経周期に合わせて実施することで、忘れずに習慣化しやすくなります。 閉経後の女性は、毎月同じ日に実施するように、特定の日を設定すると良いでしょう。

ブレスト・アウェアネス

ブレスト(乳房)・アウェアネス(意識)とは、「自らの乳房の健康状態を気にかけ、乳房の変化に敏感になること」を指します。

乳がんは、初期段階ではほとんど自覚症状が現れないため、ブレスト・アウェアネスの習慣を持つことは、乳がんの早期発見に向けて大切な心がけになるでしょう。実践するためのポイントは以下の4つです。

自らの乳房の状態をよく知る 入浴時や更衣時など、日常生活の中で、手を使って乳房のチェックをする習慣を持つことが大切です。特に入浴時の石けんでのマッサージは、変化を感じやすくなるためおすすめです。

気をつけるべき乳房の変化を知る 特定の症状を探し求めるのではなく、乳房に、いつもと違う変化がないか、定期的に確認しましょう。とくに、しこりや皮膚の変化、乳頭の分泌、乳頭や乳輪のびらん(ただれ)などに気をつけてください。

変化を感じたら速やかに医療機関へ 変化を感じた際には、すぐに専門医に相談しましょう。早期発見・早期治療は、乳がんの治療の成功率が大幅に向上します。

40歳を過ぎたら定期的に検診を受診する 40歳以降の女性は、2年に1度の乳がん検診を受診しましょう。ただし、定期的な検診を受けている場合でも、自分の乳房の変化に常に注意を払うことは大切です。

参照元:ブレスト・アウェアネス|厚生労働省

早期発見のための定期的な乳がん検診

乳がんを早期発見するためには、医療機関での定期的な乳がん検診も重要です。マンモグラフィや超音波検査などを行うことは、乳がんの初期段階での発見に役立ち、早期治療の道を開きます。とくに、乳がんのリスクがある女性にとっては、乳がん検診は不可欠で、検診を受けることが大切です。

4.医療機関での乳がん検診の重要性

医療機関での乳がん検診は、専門的な知識と技術を持った医師やスタッフにより行われます。医療機関で実施される乳がん検診の内容を理解することで、受診に対する不安や疑問を解消できます。実際に行われる検診内容を、検査ごとに詳しく見ていきましょう。

問診

検診を受ける前に、医師や検査スタッフによる問診が行われます。ここでの情報収集は、乳がん検診の精度を向上させるうえで欠かせません。多くのクリニックや病院では、以下のような質問を受けることが一般的です。事前に答えを準備しておくと、慌てることなくスムーズに進みます。

月経の現状 出産歴 授乳の経験 家族内でのがんの罹患歴(とくに乳がん)

さらに、乳房に何らかの変化や症状を感じている方は、次のような質問も受ける可能性があります。

症状を感じたのはいつからか 症状が発見されてからの変化 月経の周期と症状の関連性 痛みの有無

この問診の時間は、自身の健康状態を正確に伝える大切な機会です。細かい点までしっかりと伝えることで、より精度の高い検診を受けることができます。 また、不明点や心配事があれば、この時間に医師や検査スタッフに積極的に質問することも大切です。検診の目的や流れ、あるいは結果の読み取り方など、知っておきたい点は何でも聞いておくことで、安心して検診を受けることができます。

視触診

視触診は、乳房の様子を観察し、手で乳房や周囲のリンパ節の状態を確認する検査です。一次検診での実施は減少傾向にありますが、検診の内容や症状に応じて実施されることもあります。乳房はデリケートな部分であるため、多くの方が不安や抵抗を感じる検査かもしれません。ただし、視触診の目的や手順を事前に理解することで、安心して検査を受けることができます。

視触診で確認するポイントは以下の通りです。

乳房の変形の有無 乳頭の湿疹や異常な分泌の確認 乳房内のしこりの存在確認 首や脇下のリンパ節の腫れの有無

しこりが検出された際には、次の要因を特定します。

しこりの位置 しこりの大きさ しこりの硬さや触感 しこりの境界が明瞭かどうか しこりが容易に動くかどうか

視触診は画像検査へ進む前の重要なステップであり、検診の精度を向上させる手助けとなります。

マンモグラフィ

マンモグラフィは、乳房のX線撮影をする検査です。この検査では、スタッフが乳房を引き出し、専用の圧迫板でその状態を固定し撮影します。

以下のメリットがあるため、乳房を圧迫します。

より明瞭な画像が得られ、診断が容易になる 乳房を薄くすることで、必要なX線の量が削減できる

ただし、乳房の圧迫は受診者にとって痛みを伴う可能性があります。検査時の痛みは完全には避けられませんが、以下の点に注意することで痛みを軽減できます。

生理前や生理中の受診は避ける 検査中は体をリラックスさせ、筋肉を緩める

乳腺が張っている時期や、撮影時に筋肉が緊張して硬くなると、乳房を引き出すときに痛みが増強される可能性があるため、リラックスすることが大切です。

マンモグラフィでは、しこりや石灰化が確認できます。しこりや石灰化には、良性と悪性の両方が存在するため、すぐにがんと断定することはできません。しこりの形や石灰化の並び方などにより、さらなる検査が必要になるため、専門家の詳しい診断が必要です。

乳房超音波

超音波検査は、乳房内部の「しこり」を認識するための有効な手段です。特に40歳以下の女性は、乳腺が密集している高濃度乳房(デンスブレスト)の特性を持つため、超音波検査が推奨されます。しこりの内部や外形を詳細に描出し、良性と悪性の識別が可能になります。

また、体への影響がなく、痛みも伴わないため、妊娠している方でも問題ありません。さらに、非侵襲的なため、定期的なフォローアップにも利用しやすいです。 ただし、超音波検査だけでは検出困難な乳がんも存在するため、マンモグラフィと併用することが推奨されています。

超音波検査の流れは以下の通りです。

検査台に仰向けになり、適切な姿勢を取る。 乳房に検査用の特殊なゼリーを塗布する。 超音波のプローブを乳房に接触させて、しこりや変化を探る。

5.無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)の紹介

無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)とは

新しい乳がん検診手法として「無痛MRI検診(ドゥイブス・サーチ)」があります。この技術は、DWIBS(Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background body signal Suppression、通称:ドゥイブス法)を活用したMRI検査です。この手法は、PET検査と似ており、乳がんの存在やその範囲を効果的に診断できます。しかも、PET検査のような放射性同位元素の注射は必要なく、検査服に更衣するだけで検査を進めることが可能です。

この無痛MRI検診の診断精度は、従来の乳がん検診と比べて、3〜4倍も高いという報告があります。2023年2月のデータによれば、既に約17,000人がこの検査を受け、その中で1,000人に対し約20人の割合でがんが検出されているという結果が示されています。

無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)のメリット

「無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)」には、以下の6つのメリットがあります。

痛みのない検査 プライバシーが確保される 放射線被ばくのリスクがない 撮影の死角が少なく、診断の正確性が高い 高濃度乳房(デンスブレスト)にも対応 インプラントを持つ乳房にも適用可能

それぞれのメリットを順番にみていきましょう。 1.痛みのない検査: 従来のマンモグラフィでは乳房を圧迫することから、痛みを伴うことが多いです。しかし、無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)では、穴のあいたベッドでうつ伏せとなり、乳房を自然に垂らす形で行われます。このため、痛みを感じることはほとんどありません。 また、日本人女性の乳房は、欧米の女性と比べるとハリがあり小さいため、マンモグラフィよりも向いていると言えます。 マンモ・MRI比較

2.プライバシーが確保される MRIの検査のため、乳房に直接触れずに撮影が可能です。また、検査着を着たままの検査ができるため、受診者のプライバシーが守られます。恥ずかしさやストレスを感じにくく、安心して検査を受けられます。 Tシャツのまま検査できるのではずかしくない

3.放射線被ばくのリスクがない マンモグラフィでは放射線を使用しますが、この無痛MRI検診(ドゥイブス・サーチ)では放射線を一切使用しません。そのため、受診者は被ばくの心配をせずに検診を受けられます。検診として定期的に受診しても安全です。

4.撮影の死角が少なく診断の精度が高い 無痛MRI検診(ドゥイブス・サーチ)は、そのほかの検診と比較して、乳房の奥やわきの下などの死角が少ないことが特徴の一つです。この特性により、病変の見逃しは大幅に減少し、診断の精度も高くなります。 死角

高濃度乳房(デンスブレスト)にも対応 日本人女性は乳腺組織が密集している高濃度乳房(デンスブレスト)の方が多く、従来の検査ではがんを見逃すリスクがありました。しかし、無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)では乳腺の量に影響されないため、より正確な検査が可能です。

インプラントを持つ乳房にも適用可能 従来の検査ではインプラントを持つ乳房の検査は困難でした。しかし、無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)では、問題なく検査を実施できます。そのため、インプラントを持つ受診者に対しても、精度の高い検査が可能です。

このように、無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)は、多くのメリットを持ちつつも、従来の乳がん検診に比べて患者の負担を大きく軽減できる方法として、今後の乳がん検診の新たなスタンダードとして期待されています。

6.乳がん検診を受けるべきタイミング

乳がんの早期発見には、適切なタイミングでの乳がん検診やセルフチェックが、鍵を握ります。乳がん検診の推奨される頻度、受診の目安、そして症状が見つかった場合の対処法について解説します。

乳がん検診の推奨頻度

乳がん検診は、厚生労働省が定める5大がん検診の中の一つです。40歳以上の女性に対して2年に1回の受診が推奨されています。この頻度は、早期乳がん比率や中間期乳がん発生率から検証され、「2年に1回が適切である」と結論付けられています。

参照元:「がん検診のあり方に関する検討会中間報告書」|厚生労働省 参照元:「市町村のがん検診の項目について」|厚生労働省

多くの乳がんは1cmの大きさになるまで、数年かかると言われているため、毎月のセルフチェックと2年に1回の検診を組み合わせることで、乳がんの初期症状に気づく可能性が高まります。 しかし、この受診頻度がすべての人に適しているわけではありません。とくに、家族内に乳がんにかかった方がいる場合は、発症リスクが2倍以上となるため、20代や30代からの検診が推奨されることもあります。

個人のリスク要因や家族歴を考慮することで、より自分自身に合った検診スケジュールを設定すると良いでしょう。乳がんのリスクを理解し、適切な検診スケジュールを確立することが、乳がんの早期発見と適切な治療に向けた重要な第一歩となります。

症状が見つかった場合の対処法

セルフチェックや医療機関での検診で乳房に異常が見つかった場合、まずは冷静に対処することが大切です。それは、全てのしこりや変化が乳がんを示すわけではないからです。慌てずに専門医の診断を受けるようにしましょう。

乳がんのリスクを減少させ、早期発見を実現するためには、セルフチェックとクリニックでの定期検診の組み合わせが効果的です。また、異常を感じた際には、専門医による速やかな診察を受けることが重要になります。どのような小さな変化でも無視せずに、専門医のアドバイスを求めることで、乳がんの早期発見・早期治療の成功率を高められます。

7.治療とサポート

乳がんの治療は、がんの種類や進行状況に応じて多岐にわたり、さまざまな治療方法が存在します。また、治療は身体だけでなく、心にも影響を及ぼすことが多いため、サポートグループやカウンセリングの利用が、治療を受ける方のQOL(生活の質)を維持・向上させる助けとなります。

専門医への紹介と治療の始め方

冷静に治療方針を検討 焦らずに、医師からの説明をしっかりと理解することが大切です。治療方針や治療の進め方について十分に話し合う時間を設け、不明な点があれば、その場で質問しましょう。 また、一人で治療方針を決めるのに不安な方は、安心感を得るためにも、家族と一緒に診察を受けることも一つの方法です。 治療病院の選択 治療を受ける病院の選択も以下のポイントを考慮して決めると良いでしょう。

「乳腺外科」「乳腺科」「乳腺センター」を標榜している病院を目安に探す 通院に要する時間や交通手段、同伴するご家族の都合

候補に挙がった施設に専門医が在籍しているかを調べるには、「日本乳癌学会」や「国立がん研究センターがん情報サービス」のWebサイトを利用して調べることができます。

日本乳癌学会資格認定・関連施設一覧|日本乳癌学会 がん情報サービス「病院一覧」|国立がん研究センター

乳がんの診断後の治療選択肢

乳がんの治療選択は、がん種類や進行状況、患者の健康状態や希望に基づいて行われます。主な治療方法は以下の通りです。

手術 乳がんの主な治療法として、乳房の部分的な摘出(部分切除)や全摘出(全乳切除)が行われます。リンパ節への転移が疑われる場合、リンパ節も摘出されることがあります。

放射線治療 手術後、残存するがん細胞を殺すために放射線を利用する治療方法です。部分切除を受けた患者の多くが放射線治療を受けます。

化学療法 がんの成長を止めるための薬剤を使用する治療法。薬剤は、点滴や錠剤で与えられます。進行がんや再発予防のために用いられることが多いです。

ホルモン療法 ホルモン受容体陽性の乳がんに対して有効な治療方法。エストロゲンの作用を抑えることで、がんの成長を遅らせる効果が期待されます。

分子標的薬治療 特定の分子や遺伝子に作用する薬剤を使用する治療法。HER2陽性の乳がん患者に用いられることが多いです。

サポートグループやカウンセリングの利用

乳がんの治療は、身体的な負担だけでなく、心理的な負担も大きいです。患者や家族は、不安や孤独感、うつ症状を経験することがあります。このような心の負担を軽減するため、担当医や看護師など身近な医療スタッフに相談してみましょう。 また、そのほかの方法として、サポートグループやカウンセリングの利用もできます。それぞれ紹介します。 サポートグループ 乳がん患者やその家族が集まり、経験や情報を共有するグループ。他の患者の話を聞くことで、自らの経験を理解しやすくなり、共感や支援を受けられます。

カウンセリング 専門家と自らの感情や悩みを話すことで、心の負担を軽減する方法です。治療の選択や将来の不安、家族との関係など、さまざまなテーマについて話すことができます。

相談場所をどのように決めたら良いか迷ったときは、各都道府県のがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」にお問い合わせください。より適切な相談場所を一緒に探してくれるでしょう。

8.まとめ

セルフチェックの重要性を理解し習慣化を目指しましょう 乳がんは早期発見が非常に重要ながんの一つです。セルフチェックは、自覚症状がない乳がんの初期症状を見逃さないための重要な手段です。 セルフチェックを日常的に行うことで、たとえ2cm以下のしこりであっても気づくことができると言われています。この段階で発見された乳がんは完治する確率が90%以上であり、非常に高い確率です。 そのため、セルフチェックの習慣化は、乳がんの早期発見と治療成功の可能性を高める価値ある取り組みと言えるでしょう。

さらに、医療機関での定期的な乳がん検診とセルフチェックを組み合わせることで、乳がんの早期発見の可能性をさらに高めることができます。精度が高く負担の少ない無痛MRI検診(ドゥイブス・サーチ)も新たな検診方法として注目されています。これらの検診方法を利用し、乳がんを早期に発見して健康を守りましょう。

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