これでいいのか乳がん検診~日本の死亡率なぜ下がらない~静岡がんセンターの植松孝悦氏に聞く(上)(時事メディカル)
記事本文の要約
日本では乳がん患者が急増しており、女性の9人に1人が罹患する状況になっています。しかし、早期発見・早期治療が可能であるにもかかわらず、死亡率は低下していません。静岡がんセンターの植松孝悦氏は、欧米のエビデンスに基づく乳がん検診が日本人に適していないことを指摘し、日本人の高濃度乳房がマンモグラフィによる検出を困難にしていると述べています。高濃度乳房の特徴が説明されるとともに、適切な検診方法の必要性が今後の課題として挙げられています。
引用元:時事メディカル
ニュースURL:https://medical.jiji.com/topics/3396?page=1
編集者コメント
この記事では、日本における乳がんの死亡率が下がらない理由として、欧米基準の検診方法が日本人の乳房の特徴に合っていない点が強調されています。欧米人と比較して、日本人は高濃度乳房の割合が高く、マンモグラフィによる検出が難しいため、効果的な検診が行われていないことが問題視されています。
欧米諸国では、マンモグラフィ導入後に乳がんの死亡率が大幅に低下している一方で、日本ではそうした減少が見られていない現状が指摘されています。この違いは、乳房の性質の違いに加え、検診受診率の低さや、適切な情報提供が不足していることが影響している可能性があります。特に、高濃度乳房ではマンモグラフィだけでの検査が不十分であるため、他の検査方法の併用が重要となります。 また、日本の医療制度においては、すべての人が新しい抗がん剤の恩恵を受けることができる一方で、その効果が十分に発揮されていないことも問題です。植松氏は、EBM(根拠に基づく医療)の視点から、欧米のデータを鵜呑みにするのではなく、日本独自のデータを用いた検診方法の開発が必要であると強調しています。具体的には、高濃度乳房を持つ女性に対しては、日本人の乳房にあった追加検査が推奨されるべきであり、これによって早期発見率を高めることが期待されます。
さらに、日本では高濃度乳房であるかどうかの通知が義務化されていないため、自身の乳房の特性を理解している女性は少ない現状です。これは、検診結果の解釈や適切なフォローアップの実施を妨げる要因となっています。米国では2024年から通知が義務化される予定であり、日本でも同様の制度の導入が望まれます。
乳がんの検診といえばマンモグラフィだと考えている人は多いのではないでしょうか。編集者も、しこりが気になって受診した際、てっきりマンモグラフィでのみ検査するものと思っていましたが、追加で超音波検査もされ、驚いた経験があります。しかし、それほどまでに乳がん検査の代名詞として浸透しているマンモグラフィが万能でないこと、特に日本人女性の乳房に対して効果が薄いということは、衝撃的な事実です。今後はただ乳がん検診に行けばいい、ということではなく、自身に合った検査方法を模索する必要もありそうです。乳がんラボでは「痛くない乳がん検診」を紹介しています。今まで、乳がん検診で痛い、恥ずかしい思いをされた方、乳がん検診に不安を感じているという方は、是非ご覧になってみてください。