乳がんかもしれない?痛みの原因や症状、対処法について解説!
「乳房に痛みがあるけど、乳がんによるもの?」 「乳がんになったら痛みはあるの?」 と疑問に思っている人はいませんか。
乳がんは、発症しても痛みを感じることが少ないがんです。しかし、進行したり、転移したりすることで痛みを生じることがあります。 また、転移した乳がんは乳房以外にも痛みを生じます。 この記事では、乳がんによる痛みや原因、対処法について解説します。 胸やわきの下が痛いなどの症状がある人は、ぜひ最後までお読みください。
目次
- 1. 乳がんによって痛む場所は?
- 2. 乳がんの痛みの原因
- 3. 乳がんの痛みの種類
- 4. 乳がんによる痛みの伝え方
- 5. 乳がんの検査方法
- 6. 痛み以外の乳がんの症状
- 7. 乳がんの痛みの対処法
- 8. 乳がんは早期発見が大切!
- 9. 高精度の乳がん検査!無痛MRI乳がん検診とは?
- 10. まとめ
1.乳がんによって痛む場所は?
乳がんとは、30〜60歳の女性がかかるがんの中で死亡率が一番高いがんです。働き盛りや子育て世代といった比較的若い世代にも発症します。 しかし、早期に治療を始めることで完治を期待できます。痛い、不快感があるといった症状を感じた場合、すぐに検査を受けることが重要です。 乳がんなら乳房が痛くなるのでは、と考える人が少なくないでしょう。 乳がんによって痛みが生じる場所は、乳房だけではありません。乳房とは全く離れた場所も痛む可能性があるのです。 ここでは、乳がんによって痛む場所について紹介します。これから紹介する場所に痛みや不快感、違和感を感じている場合は、早めに医師に相談してください。
1-1.わきの下
乳がんによって、わきの下に痛みを感じることがあります。 乳がんの進行によって、がんがわきの下のリンパ節や周りの組織に広がることがあるからです。 わきの下には多くのリンパ節が集まっています。乳がんは、わきの下のリンパ節に転移しやすいがんです。そのため、乳がんが進行すると、わきの下のリンパ節に腫れや炎症を引き起こすことがあります。そして、わきの下に不快感や痛みを感じてしまうのです。 普段は痛みがなくても、わきの下を押すと痛いという場合も、リンパ節が腫れたり、炎症を起こしたりしている可能性があります。
1-2.胸部
乳がんによって、胸部に痛みを引き起こすことがあります。 胸部に痛みが生じるのは、乳がんが周囲の神経や筋肉に広がり、圧迫するからです。 また、乳がんが成長すると乳房の形や皮膚が変形し、痛みや不快感を引き起こすこともあります。 乳がんが小さいときに、胸に違和感や痛みを伴うことはほとんどありません。そのため、がんが小さいときは、がんに気づきにくいでしょう。 しかし「胸触ると痛い」「胸に違和感がある」など、いつもと違う状態に気づいたらすぐに医療機関を受診するようにしてください。胸部に痛みがある乳がんは、進行している乳がんかもしれません。
1-3.骨
乳がんは、骨に転移する可能性もあるがんです。 がんが骨に転移することを、骨転移といいます。骨転移の痛みは持続的なものです。
骨の中でも以下のような場所に転移します。 胸椎 腰椎 頸椎 骨盤 肋骨 股関節 など 腰が痛い、股関節が痛いといった乳房と遠い場所にも痛みが生じてしまいます。 骨にがんが転移すると、骨が弱くなり、からだを動かすと骨に負担をかけ、負担が大きいと骨折してしまいます。そのため、骨転移によって、転倒したり、ぶつけたりしなくても骨折する可能性があるのです。 股関節が痛い、背中が痛いといった症状がある場合、すぐに医療機関を受診することをおすすめします。 その他、骨転移では背骨への転移で脊髄を圧迫して、しびれや尿・便失禁、手足の脱力感といった症状もあるため注意しておきましょう。
1-4.関節
「関節が痛い」「手にこわばりがある」と訴える乳がん患者さんがいます。 乳がんによって関節に痛みを生じることがあります。乳がんによる関節の痛みは「ホルモン療法」が原因です。 ホルモン療養法を行うと血中のエストロゲンが少なくなります。エストロゲンは関節を動かしやすくするために必要な成分です。そのため、血中のエストロゲンが少なくなると関節痛が痛くなってしまいます。 また、ホルモン療法だけでなく、抗がん剤治療によっても関節に痛みが生じることがあります。 乳がんの治療を始めて関節が痛くなる原因は、治療の副作用か、がんの転移が考えられるでしょう。しかし、中高年の女性の場合、以下のような病気の可能性もあります。 更年期障害 変形性疾患 椎間板ヘルニア 骨粗鬆症 膠原病 など 関節の痛みを感じたらすぐに、医師へ相談しましょう。
2.乳がんの痛みの原因
乳がんそのものは、痛みを伴うがんではありません。しかし、がんの状態や進行度、治療の過程で痛みを生じてしまいます。 以下では、乳がんによって痛みが生じる原因について詳しく解説します。
2-1.乳がんそのものによる痛み
乳がんが原因となり、さまざまな場所に痛みを生じます。しかし、乳がん自体が痛むのではありません。乳がんによって痛みが生じる原因は、がんが周りの組織に圧力をかけるからです。 がんは徐々に大きくなり、周りの神経や皮膚、筋肉を圧迫します。組織への圧迫が、痛みの原因となります。 がんによる痛みの強さは人によって異なり、長く続く痛みや突発的な痛みなどさまざまです。はじめは違和感があり、がんが大きくなるにつれ、痛みが少しずつ増してくるでしょう。
2-2.乳がんの治療に伴う痛み
乳がんの治療でも痛みが生じます。手術をした場合、がんを取り除いた場所や周囲に痛みがあり、しびれを生じることもあります。手術後の痛みは一時的なものが多いですが、長い期間続く人も少なくありません。 また、乳がんの放射線治療でも皮膚が赤くなったり、炎症を起こしてしまうと痛みが生じます。 また、乳がんの抗がん剤やホルモン療法でも副作用として、関節や筋肉の痛みがあります。 乳がんの治療の過程で、痛みに悩まされることがあります。しかし、治療による副作用と自分で判断するのではなく、再発による可能性もあるため、痛みがある場合は医師へ相談するようにしましょう。
3.乳がんの痛みの種類
乳がんに痛みがあるのは分かったけど、自分が感じている痛みは乳がんによるものなのか、迷う人もいるでしょう。 乳がんの痛みの種類は人によってさまざまで、突発的な痛みと慢性的な痛みがあります。 それぞれについて説明していきます。
3-1.乳がんによる急性の痛み
乳がんによる急性の痛みは、短い期間で突然現れる痛みです。 主な原因として、がんが急速に増え周りの組織を圧迫することや、神経への広がりが考えられます。鋭い痛みや刺すような痛みを感じやすいです。 また、乳がんの急性の痛みは、乳房に触れると痛むしこりや乳房全体に腫れを伴っていることがあります。 さらに、乳房やわきの下のリンパ節の腫れが急速に進行することで、急に痛みを感じます。急性の痛みは、がんの進行を示す重要なサインであるため、早期に医師の診察を受けることが重要です。
3-2.乳がんによる慢性の痛み
がんによる慢性の痛みは、長期間続く持続的な痛みです。 慢性の痛みは、がんが周囲の組織や神経に浸潤し、持続的な圧力や炎症を引き起こすことによって生じます。 また、慢性的な痛みは、乳房やわきの下、肩、背中などの広い範囲に広がりやすいです。 さらに、手術後や放射線治療による組織の変化も、慢性痛の原因となります。 痛みの程度や感じ方には個人差がありますが、慢性的な痛みは生活にも影響を及ぼすため、早めに医療機関で痛みについて相談しましょう。
4.乳がんによる痛みの伝え方
「痛み」は患者さん自身にしか分からないものです。病院に行き、医師や看護師にうまく伝えなければ、痛みを和らげる処置にうまく繋がらないこともあります。 そのため、自分が感じている痛みをしっかり伝えられるようにしましょう。 痛みについて以下の点を意識して言うと、医師や看護師に伝えやすいです。 いつから(例:半年前ぐらいから) どこが(例:わきの下が) どのような痛みか(例:うずくような痛み) どの程度か(例:ふだんは我慢できる程度だが、ときどき痛みが強くなる) どのようにすると痛みに変化があるか(例:押すといたみが強くなる) その他に症状があるか(例:触るとしこりのようなものがある)
上記のように、「痛い」だけではなく、場所や痛みの強さなどできるだけ詳しく伝えるようにしましょう。 「痛み」については以下のような表現を使うと、伝えやすくなります。 しびれたような「びりびり」する痛み 焼けるような「ひりひり」する痛み 押さえつけられたような「重い」痛み 針で刺されたような「チクチク」する痛み など 自分が感じている「痛み」をうまく伝えられるように参考にしてみてください。
5.乳がんの検査方法
乳房に痛みがあると、乳がんを疑うこともあるでしょう。しかし、乳房に痛みを生じる原因は、乳がん以外にもいくつかあります。 乳がん以外で乳房が痛む原因は、以下のとおりです。 更年期 ホルモンバランスの乱れ 乳腺炎 乳腺嚢法 乳腺線維腺腫 乳管内乳頭腫 など 乳房が痛む原因はいくつかあるため、医療機関を受診すると痛みの原因を見つけるために検査が行われます。とくに、痛みの訴えから乳がんが疑われると、乳がんの有無を確認するための検査をすすめられるでしょう。 乳がんを診断するための一般的な検査方法は、以下のとおりです。 問診・触診・視診 マンモグラフィ 超音波エコー それぞれについて解説します。
5-1.問診・触診・視診
乳がんの検査にはまず「問診・触診・視診」があります。 問診では、医師が患者さんの症状、家族歴、過去の病歴、生活習慣、月経や出産歴などを詳しく聞き取ります。 触診では、医師が手で乳房やわきの下に触れ、しこりやリンパ節の腫れなどを確認します。 視診では、乳房の形や左右の差、皮膚の変化、くぼみ、引きつれ、乳頭の異常(例えば、陥没や分泌物)などを観察します。
5-2.マンモグラフィ
マンモグラフィは乳がんを発見するための検査です。放射線検査のひとつで、乳房を撮影し、しこりや石灰化などの異常を確認します。マンモグラフィでは、視診や触診で見つけられない小さい乳がんの発見も可能です。 マンモグラフィは、専用の機器で乳房をはさみ撮影します。撮影は数分で終了しますが、乳房を挟む検査であるため、痛みを感じる人もいるでしょう。 万が一異常が発見された場合は、さらに詳しい検査(超音波やMRIなど)や生検が行われます。 乳がんを発症しやすい40歳以上の女性や乳がんのリスクが高い女性は、定期的にマンモグラフィを受けることが推奨されています。
5-3.超音波エコー
超音波エコーの検査も、乳がんを見つける検査のひとつです。とくに若い女性や乳腺が発達している女性は、マンモグラフィより超音波エコーが推奨されます。 超音波エコーでは上半身の衣服を脱ぎ、検査台に仰向けになります。そして、検査技師が専用の機器(プローブ)を皮膚にあて、乳房やわきの下の状態を検査します。 超音波エコーはしこりが固形か液体かを判断するのに適した検査で、良性の嚢胞と悪性の腫瘍を区別できます。また、超音波エコーは乳がんの疑いがある場合や定期検診で異常が見つかった場合の追加検査としても使用されます。
6.痛み以外の乳がんの症状
前述したように、乳がんは初期の段階では症状はほとんどないですが、進行したり、転移すると痛みを生じます。しかし、乳がんには痛み以外の症状もあります。乳がんを早期発見するために、痛み以外の乳がんの症状も知っておきましょう。 痛み以外の乳がんの症状には、以下のようなものがあります。 腫れ 赤み くぼみ 発熱 しこり 乳頭からの分泌物 しびれ など 一般的な症状には、乳房や脇の下にしこりができます。しこりは通常、不規則な形をしていることが多いです。また、乳房の皮膚が赤くなったり、くぼんだりします。また、乳頭から分泌物が出るといった症状もあります。他にも乳頭が陥没したり、乳房の形やサイズが変わる、熱が出るなど症状は人によってさまざまです。 他の病気にも似た症状がありますが、自分で判断せず、まずは医療機関に相談するようにしましょう。乳がんであった場合、早めに治療を始めることが重要です。
7. 乳がんの痛みの対処法
乳がんによる痛みによって、生活や仕事に影響を及ぼしてしまうでしょう。医師から処方される薬を使用したり、セルフケアを行うことで、乳がんによる痛みを和らげることが可能です。 ここでは、乳がんによる痛みの対処法について解説します。
7-1.医療的な対処法
乳がんの痛みを和らげる治療として、以下のような薬が処方されます。 ロキソプロフェン ジクロフェナク アセトアミノフェン オピオイド鎮痛薬 など ロキソプロフェンやジクロフェナクは生理痛や頭痛の際によく使われる薬です。ロキソプロフェンやジクロフェナク、アセトアミノフェンは軽い痛みでも使用されます。
乳がんによる痛みが強い場合は、以下のような薬が処方されます。 トラマドール モルヒネ オキシコドン ヒドロモルフォン フェンタニル など モルヒネやオキシコドン、ヒドロモルフォン、フェンタニルは医療用の麻薬です。乳がんに強い痛みを取り除くために効果的です。もちろん、医療用であるため、依存性や中毒性の心配はいりません。 薬を飲む量や回数などは、医師の指示に従いながら服薬しましょう。
7-2.日常生活での対策
乳がんの痛みを和らげる方法として、温めたり、冷やしたりする方法があります。温める際に蒸しタオルやカイロなど、冷やすときには保冷材や氷嚢を使うとよいです。ただし、炎症が強かったり、感覚がない場合は症状を悪化させるため、気をつけましょう。 また、動き方を工夫することも、乳がんの痛みを感じさせない工夫のひとつです。胸やわきの下に痛みがある場合、腕の動かし方を工夫することで痛みが楽になることがあります。痛みを感じづらい動きを見つけてみましょう。 他にも、気分転換や瞑想、マッサージ、ヨガ、深呼吸といったリラックスできる方法を取り入れることもおすすめします。気持を落ち着かせられ、痛みへの意識をそらせられる効果が期待できます。また、痛みを和らげるだけでなく、がんへのストレスや不安の軽減にもなるでしょう。
8.乳がんは早期発見が大切!
乳がんは早期発見と治療で完治が期待できるがんです。胸やわきの下に痛みを感じる前に、日頃から早期発見を心がけることが重要です。 ここでは、乳がんを早期発見に役立つセルフチェックや遺伝子検査、乳がん検査について紹介します。 乳がんを早期発見するために、定期的なセルフチェックや遺伝子検査、乳がん検診を受けるようにしましょう。
8-1.乳がんのセルフチェック
乳がんのセルフチェックは、自分自身で乳房の異常を早期に発見するための重要な方法です。乳がんのセルフチェックは、以下の手順で行いましょう。
まずは見た目の確認です。鏡の前で両腕を上げ、乳房の形や左右の違い、皮膚の変化(くぼみや引きつれ)、乳頭の陥没や分泌物を確認します。 つぎに乳房に触れます。仰向けになり、片手を頭の下に置きます。反対の手を使って乳房を円を描くように触れ、しこりや硬い部分がないかを確認します。わきの下も含めてチェックします。入浴中に石鹸を使い、滑りやすくした状態で乳房を触診する方法も効果的です。 セルフチェックは月に一度、月経が終わってから約一週間後に行うのが理想的です。簡単にでき、早期の乳がんを見つけられることを期待できます。 そして、セルフチェックを行い、異常を感じた場合はすぐに医師に相談することが重要です。
8-2.乳がんの遺伝子検査
乳がんを早期発見するためには、遺伝子検査を受けることもよいでしょう。 乳がんの中には遺伝性のものがあります。乳がん遺伝子検査は、血液を採取するだけで可能です。乳腺細胞に関する遺伝子に異常が見つかると、高い確率で乳がんになりやすいと言われています。
血縁関係が近い人や親族などに乳がん患者さんが多いと、乳がんになりやすいです。 とくに親族の中に、以下のような場合があると発症しやすいです。 乳がんや卵巣がんが患者さんが複数いる 50歳以下で乳がんや卵巣がんになっている人がいる 男性の乳がん患者さんがいる 両方の乳房に乳がんが見つかっている人がいる 遺伝子性乳がんのリスクが高い人は、定期的に乳がん検診を受けましょう。
8-3.乳がん検診
乳がん検診は、マンモグラフィと超音波エコーが一般的です。 マンモグラフィは、触診では見つけにくいタイプの乳がんを発見するのに優れています。撮影結果で白く見える部分は石灰化と呼ばれ、がんの可能性があります。若い女性の場合は、乳腺が発達しているため、石灰化したがんと同様に白く写り、がんとの区別が難しいです。そのため、超音波検査を併用することがすすめられます。
超音波エコーは、乳房内の病変やしこりの大きさ、わきの下のリンパ節への転移の有無を調べられます。また、小さなしこりも発見することが可能です。ただし、超音波だけではがんの石灰化を見つけることはできません。良性か悪性かの判断ができないため、必要に応じてマンモグラフィを追加したり、生検(組織の一部を採取して顕微鏡で検査)を行ったりします。
これまでの乳がん検診では、マンモグラフィや超音波エコーが多く行われていました。しかし、「痛い」「恥ずかしい」などといった理由で、乳がん検診を受けにくいと考えている人も少なくありません。 最近では「無痛乳がんMRI検診」が乳がんを発見できる検査として注目されています。マンモグラフィーや超音波エコーの検査のように、乳房を露出することなく、若い女性や授乳中・生理中の女性、乳房のインプラントを挿入をしている人も受けられる検査です。
9.高精度の乳がん検査!無痛MRI乳がん検診とは?
これまでマンモグラフィや超音波エコーが乳がん検診として行われてきましたが、最近では両者以上の高精度の乳がん検査ができる「無痛MRI乳がん検診」が行われています。 定期的に受けることがすすめられている乳がん検診は、できる限り負担なく検査したいですよね。 無痛MRl乳がん検診であれば、被ばくによる健康リスクや乳房を露出するといった心配がなく、検査を受けられます。 マンモグラフィや超音波エコーより乳がんの発見率が高い検査になります。
9-1.無痛MRI乳がん検診の検査の流れ
無痛MRI乳がん検診は一般的なMRI検査と流れはほとんど同じです。 まず、検査専用の服装に着替えます。このとき、時計や指輪といった金属類はすべて外します。造影検査もしないため、点滴をする必要もありません。 検査はうつ伏せの状態で行います。乳房型にくりぬかれた台にからだをのせるため、胸をつぶしたりする必要がないため、痛いと感じません。検査自体はは数分で終了します 無痛MRI乳がん検診は、他に被ばくをしない、乳房を露出しない、乳房の手術後でも検査できるというメリットがあります。 以下で、無痛MRI乳がん検診のメリットについて紹介していきます。
9-2.授乳中や生理中でも受けられる
無痛MRI乳がん検診はいつでも受けられる検査です。 マンモグラフィや超音波エコーは、専用の機器で乳房を挟んだり、押し当てたりするため、授乳中や生理中の場合、痛みを感じやすいです。また、乳腺の量が多くなっているため、検査の精度が落ちやすいです。そのため、授乳中や生理中を避けることをすすめられます。 一方、無痛MRI乳がん検診では、授乳中や生理中の人でも痛みを感じることなく、精度の高い乳がん検査を受けられます。
9-3.露出をしない検査
乳房の検査では、露出することに抵抗があるでしょう。 無痛MRI乳がん検診であれば、検査着を着たまま検査が可能です。マンモグラフィや超音波エコーであると、検査スタッフの前では検査のために乳房を露出する必要があります。 しかし、MRIは磁気を使用した検査であるため、検査着を着たままでも検査に全く支障がないのです。 検査だからやむを得ないと、「恥ずかしさ」を我慢する必要はありません。
9-4.痛みに悩まない
検査に伴う痛みに悩む必要がないのも、無痛MRI乳がん検診のメリットです。 マンモグラフィでは、乳房を機器で挟むため、痛いと思う女性は少なくありません。 無痛MRI乳がん検診は、乳房型にくり抜かれた台にうつ伏せになるだけであるため、乳房を圧迫しないため、痛みを伴わず楽に検査が可能です。もちろん、サイズや形も気にすることなく検査を受けられます。 痛さを我慢せずに検査できるため、定期的に受けなければいけない乳がん検診に適しています。
9-5.被ばくの心配がない
被ばくの心配がないことも、無痛MRI乳がん検診の特徴です。 マンモグラフィは微量ながらもエックス線を使用するため、被ばくをする可能性があることをご存じでしょうか。放射線はからだに蓄積していくため、繰り返すことで被ばくのリスクを高めていることは否定できません。 無痛MRI乳がん検診は磁気によって検査するため、被ばくの心配がないのです。繰り返し検査をしても、からだに負担をかけることがないため、安心して受けられます。
9-6.乳がん発見率の高い検査
他の乳がん検診に比べ、がんを見落とす可能性が低いことも無痛MRI乳がん検診の利点のひとつです。マンモグラフィの場合、がんと他の組織が同じように白く写るため、がんを発見しにくい場合があります。一方、無痛MRI乳がん検診は、マンモグラフィでは見分けにくいがんも見つけ出すことが可能です。 無痛MRI乳がん検診では、乳がん発見率がマンモグラフィの5倍ほどとのデータもあります。
9-7.インプラントが入っていても受けられる
豊胸手術や乳がん手術で乳房にインプラントが入っている人でも検査を受けることが可能です。 インプラントは圧迫すると、つぶれたり、変形したりするためマンモグラフィでの検査ができません。超音波エコーもインプラントによって組織を観察しにくいため、受けることを勧められません。 無痛MRI乳がん検診は、乳房を圧迫する必要がないため、インプラントに傷がつく心配をせずに検査できます。
9-8.日本人に合っている乳がん検査
日本人女性の乳房は、高濃度乳房といってマンモグラフィではがんを見分けにくい特徴があります。 欧米女性の場合は脂肪性の多い乳房であるため、マンモグラフィの発見率が日本人女性に比べ高いともいわれています。 無痛MRI乳がん検診は、高濃度乳房であっても乳がんの発見率は左右されません。そのため、無痛MRI乳がん検診は日本人女性に合っている検査と言えるのです。
10.まとめ
乳がんは30〜60代女性の中で死亡率が一番高いがんです。 早期の乳がんは症状が乏しく、痛みや違和感を感じることは少ないでしょう。そのため、乳がんによる痛みが生じたときにはがんが進行したり、転移しているかもしれません。 乳がんの痛みは乳房だけではないです。わきの下や関節、骨の痛みも注意しておきましょう。 気になる痛みがある場合には、医師に相談するようにしてください。 乳がんの痛みを感じる前に、乳がんを発見することは重要です。乳がんは早期に見つけることで完治を期待できます。セルフチェックや定期的に検査を受けるようにしましょう。