被ばくゼロの理由
乳がん検診を受けるとき、「放射線を浴びるのが気になる」「毎年受けても大丈夫なのか不安」と感じることがあるかもしれません。
マンモグラフィは、乳房をX線で撮影する検査です。乳がん検診として長く用いられてきた標準的な検査ですが、少量の放射線被ばくを伴います。
一方、無痛MRI乳がん検診は、X線を使わずに乳房を撮影します。MRIは磁場と電波を用いて体の内部を画像化する検査であり、マンモグラフィやCTのような電離放射線による被ばくはありません。
そのため、被ばくが気になる方や、定期的な乳がん検診を考えている方にとって、受けやすい選択肢の一つです。
MRIはX線を使わない検査です
MRIは、Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略です。
X線を使って体を撮影するマンモグラフィやCTとは異なり、MRIでは強い磁場と電波を使って体の内部を画像化します。電離放射線を使わないため、検査による放射線被ばくはありません。
「MRIの装置はCTと似て見えるので、放射線を使っているのでは」と不安に感じることがあるかもしれません。しかし、見た目が似ていても、画像を作る仕組みは異なります。
CTはX線を使って体の断面画像を作る検査です。MRIはX線ではなく、磁場と電波を使って画像を作る検査です。そのため、MRI検査ではマンモグラフィやCTのような放射線被ばくは生じません。
なぜ被ばくがないのですか?
放射線被ばくとは、主にX線やガンマ線などの電離放射線を体が受けることを指します。
マンモグラフィでは、乳房にX線を当てて画像を作ります。そのため、検査に伴う放射線被ばくがあります。
一方、MRIでは、体内の水素原子の反応を利用して画像を作ります。強い磁場の中で電波を当て、その反応を信号として受け取り、コンピューターで画像にします。
この仕組みではX線を使わないため、放射線被ばくはありません。
マンモグラフィやCTとの違い
マンモグラフィの場合
マンモグラフィは、乳房を板で挟み、X線で撮影する検査です。
石灰化の検出に優れており、乳がん検診で広く用いられてきました。一方で、X線を使うため、少量の放射線被ばくを伴います。
この被ばく量は一般に低いとされていますが、「被ばくが気になる」「繰り返し検査を受けることに抵抗がある」という方にとっては、不安の理由になることがあります。
CTの場合
CTもX線を使って体の断面画像を作る検査です。
乳がん検診の一般的な方法ではありませんが、X線を使う検査であるため、検査に応じた放射線被ばくがあります。
MRIの場合
MRIはX線を使わず、磁場と電波を使って画像を作ります。
そのため、マンモグラフィやCTのような電離放射線による被ばくはありません。放射線被ばくを避けたい方にとって、検討しやすい検査です。
ただし、MRIにはMRI特有の注意点があります。体内にMRI非対応のペースメーカー、人工内耳、金属片などがある場合は、検査を受けられないことがあります。強い磁場を使う検査であるため、検査前の確認が重要です。
定期的な検診を考える方へ
乳がん検診は、一度受けて終わりではなく、年齢やリスクに応じて継続して受けることが大切です。
無痛MRI乳がん検診は、X線を使わないため、検査を繰り返しても放射線被ばくが積み重なることはありません。
そのため、「毎年の検診で被ばくが気になる」「できるだけ放射線を避けたい」という方にとって、受けやすい検査です。
ただし、どの検診方法が適しているかは、年齢、乳房の状態、家族歴、過去の検査結果、症状の有無によって異なります。MRIだけで十分という意味ではなく、必要に応じてマンモグラフィや超音波検査と組み合わせて考えることが大切です。
MRI検査はX線を使わないため、検査を繰り返しても放射線被ばくが積み重なることはありません。生涯のあいだに繰り返し受ける検診を考える方にとって、検討しやすい検査の一つです。
若い方や高濃度乳房の方にも検討しやすい理由
若い方では、乳腺が濃いことが多く、マンモグラフィで病変が見えにくい場合があります。
また、「被ばくが気になる」「痛みが不安」「胸を見られることに抵抗がある」といった理由から、乳がん検診を受けにくいと感じることがあるかもしれません。
無痛MRI乳がん検診は、X線を使わず、乳房を圧迫せず、検査着またはTシャツを着た状態で撮影できる検査です。
そのため、乳がん検診を受ける最初の一歩としても検討しやすい方法です。
ただし、若い方に一律にMRI検診をすすめるという意味ではありません。乳がん検診を何歳から、どの方法で受けるべきかは、家族歴や既往歴、症状の有無によって異なります。心配な方は医師にご相談ください。
放射線治療を受けたことがある方、遺伝的リスクが気になる方へ
過去に放射線治療を受けたことがある方や、乳がん・卵巣がんの家族歴がある方は、検診方法について不安を感じることがあります。
無痛MRI乳がん検診は、X線を使わないため、検査による放射線被ばくはありません。そのため、被ばくを避けたい方にとって検討しやすい選択肢です。
ただし、遺伝性乳癌卵巣癌症候群、すなわち Hereditary Breast and Ovarian Cancer syndrome(HBOC)が疑われる方や、BRCA1/BRCA2遺伝子に病的バリアントがある方では、一般的な検診とは異なる管理が必要になることがあります。
ご本人や血縁者に若年発症の乳がん、卵巣がん、男性乳がん、両側乳がんなどがある場合は、検診だけで判断せず、乳腺外科や遺伝カウンセリングに対応した医療機関へご相談ください。
<参考:HBOCについて>
遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)という疾患があります。これは、遺伝子の一部に異常があるため、通常の人に比べてはるかに乳癌や卵巣癌にかかりやすいことが知られています。
HBOCの原因遺伝子を持っている人の割合は1000人に1人程度(約0.1%)と言われていますが、乳癌になった方の10%程度を占めています。単純に考えると、100倍も乳癌になりやすいわけです。
その理由として、DNAが何らかの理由(たとえばエックス線)で切れたときに、修復できないため癌化しやすいことが言われています。検診のためにエックス線を使うということは、知らず知らずの間に、少数のHBOCの方に被ばくをさせているということでもあります。これにより乳癌を誘発する懸念もあります。この意味で、放射線被ばくを伴わないMRIはより安全であるとされています。
被ばくがないことと、検査の安全確認は別です
MRIは放射線被ばくのない検査ですが、すべての方が無条件に受けられるわけではありません。
MRIでは強い磁場を使用します。そのため、体内にMRI非対応の医療機器や金属がある場合、検査を受けられないことがあります。
たとえば、MRI非対応のペースメーカー、人工内耳、一部の脳動脈瘤クリップ、金属片、磁石を使ったインプラントなどがある方は、事前確認が必要です。
また、閉所が苦手な方、うつ伏せの姿勢を保つことが難しい方、妊娠中または妊娠の可能性がある方は、受診前に医療機関へご相談ください。
「被ばくがない」ことは大きな特徴ですが、「安全確認が不要」という意味ではありません。安全に検査を受けるため、検査前の問診には正確にお答えください。
まとめ
無痛MRI乳がん検診は、X線を使わず、磁場と電波を用いて乳房を撮影する検査です。
マンモグラフィやCTのような電離放射線による被ばくはありません。そのため、被ばくが気になる方や、定期的な乳がん検診を考えている方にとって、受けやすい選択肢の一つです。
一方で、MRIは強い磁場を使う検査であるため、体内金属やMRI非対応の医療機器がある方は注意が必要です。
無痛MRI乳がん検診は、「被ばくを避けたい」「痛みが不安」「胸を見られることに抵抗がある」という方が、乳がん検診を受けるきっかけになり得る検査です。
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マンモグラフィの被ばくについて解説
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